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寂寥な節分の夜、古びた神社で仲間たちは忌まわしい儀式に集まっていた。日野氏は、狡猾とも嘲笑とも見える笑みを浮かべながら1粒ずつ、"何か"を数えるように欲望の味のするそれを味わっていた。

儀式が進むにつれ、日野氏の姿は淫靡な光景へと変わっていく。数えるごとに、彼の肌は艶めかしさを失い、髪は色香を放つことを忘れていった。仲間たちは快楽と死の交わる禁断の舞台に立っていることに気付いていた。

日野氏はある1粒を口に入れたあと、誰にも聞こえぬ声で「これが終焉だ」と呟いた。彼はその言葉通り深い意識の中で死に逝く。一瞬のうちの出来事だったが、しかし、その死は誰の幻想でもなかった。この"豆撒き"の儀式は、彼を美しき死の仕掛けに変え、仲間たちはその結末に何かを悟った表情を浮かべていた。

神社の中には、日野氏の萎れた身体と共に、鬱々たる空気が充満していた。その中、一人の仲間が「新たな"幸福"のためには、この世界から何かを犠牲にしなければならない」と。仲間たちは恍惚とその場に立ち尽くし、横たわる"犠牲"を見つめるのであった。

『鬼は外、福は内』
次のイベントはバレンタインかー 2024/02/03(土) 22:10
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